昨日は、『君たちはどう生きるか 』をご紹介しました。 読書や映画鑑賞は、ときにものの見方や価値観をガラッと変えてくれるものです。 今日は、「企業再生のプロフェッショナル」 として経済界では有名なオキタリュウ イチさん が、人生を変えてくれる珠玉の数冊を紹介してくださいます。 今回は、インタビュー形式でお伝えしますね。
―オキタさんにコンサルをお願いすると、倒産しかけていた中小企業もV字回復、そこから急成長を遂げて経営が安定するそうですね。依頼者が口を揃えて仰るのは、「オキタさんの発想力には目からウロコが落ちる」ということ。その発想力の原点は、どこにあるのですか?
オキタ :まずね、『中谷彰宏 の企画塾』 という本。ぼくはこれを、22歳くらいのの頃に読みました。もう古い本だから、今はKindle でしか読めないかもしれない。でも、今読んでも古さを感じさせないと思う。
―「企画塾」ですか? オキタさんらしいですね。でも、「企画なんて自分には関係ない」って思っている人には、向かない?
オキタ :いやいや、そんなことはないの。どんな仕事にもクリエイティビティは必要なの。たとえば、子育てなんてクリエイティビティの塊だよね。「人を作る」っていうのは、最大のクリエイトでしょ? 一人の人生の人格をつくるんだもん。 中高生が自分の人生をデザインしていくっていうのも企画。だから、企画力はすべての人にとって必要なんだよ。
―ほかに、中高生の頃にオキタさんが読んで感銘を受けた本ってありますか?
オキタ:D・カーネギー の『人を動かす』 と、『道は開ける』 。
この本、すごいよ。怒ってる人が、最後にファンになっちゃうの。こういうふうに考えることによって、怒ってる人もファンになるよって本。怒らしたからダメなんじゃなくて、怒らしてからが本当の勝負。「嫌われても好かれる」なの。 これを読んでね、オレ、やれるかもって思った。自分も何かを成し遂げることができる、と思ったの。一代で財をなそうと思った、原点。
―そして、今のオキタさんがあるわけですね。成功者の「原点」なら、ぜひ読んでみたいですね。あと何か読んでおいたらいいよって本、ありますか?
オキタ :『未来の年表』
―どうして?
オキタ :そのまんまだから。そうなるから。未来は、この本の通りになるから。そうなることを考えて、自分の人生をデザインすべき。 この前さ、「海外に行きたいんです」っていう高校生に出会ったの。東京都の予算で毎年、海外に何人か行かせてもらえるんだって。それを使って海外に行きたいって言うのね。 じゃあ、なんで海外に行きたいの?って聞いたら、「日本はおもしろくないから」って言うの。 本当にそうなのかな? 日本は、本当にそんなにおもしろくない国なのかな? その高校生はね、「目が輝いている大人がいないから、日本はおもしろくない」って言うの。 だからね、マイケル・ジャクソン の「Man in the mirror」 を知っているかと聞いた。これはね、「世界を変えたいと思うなら、鏡の中に写っているその男(つまり自分自身)から変えるべきだ」っていう歌。
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わかる? 目が輝いている大人がいないから海外に行きたい、なんてのはチョー受身じゃん。そんなこと言うヒマあったら、まずお前が輝けよ 、って話なんだよ。 そういうヤツに限ってさ、「じゃあ、海外行って、何したいの?」って聞くと、何にもないの。バスケやりたいとか、映画監督なりたいとか、具体的な何かがあるなら海外行くのもいいと思うんだけどね。具体的なコンテンツもないのに海外に行くのはもったいないよね。 だってさ、コンテンツの豊富さで言えば、日本ってすごい国 だよ? 残念ながら、今の日本はコンテンツがあっても人々に自信がないの。でもね、自信がないだけで、コンテンツはあるの。だからね、輝きたければ、わざわざコンテンツの無い海外に行くより日本にいたほうが、ずっと「自分が輝けるコンテンツ」を見つけられるの。 その可能性が高まるの。
―コンテンツって、何ですか? 今さらですが・・・。
オキタ:何でもいいの。スポーツでもいいし、プログラミングでもゲームでも、アートでもビジネスでも。何でもいいの。コンテンツは何だっていいから、自分が人に影響を与える人になりなさい って、その高校生にはアドバイス したよ。 日本はね、世界最古の国家なの。でね、二万五千以上の老舗があるんだよ。すごくない? そんな国、日本だけだよ。100年以上続いている会社が、ものすっごいあるの。 コンテンツはいっぱいあるんだから、日本には。